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【実体験あり】リファラル採用の闇?メリット・デメリットから見る「紹介採用」の注意点

「リファラル採用」という言葉を聞いたことはありますか?社員が友人や知人を会社に紹介する採用手法で、最近では多くの企業が導入しています。会社としては優秀な人材をコストをかけずに採用でき、社員は紹介料がもらえる。紹介される側も、信頼できる人から会社の情報を聞ける。一見、誰もがハッピーになる理想的な採用方法に思えますよね。

でも、ちょっと待ってください。

このリファラル採用、実は大切な人間関係を壊してしまう可能性を秘めていることをご存知でしょうか。

本記事では、リファラル採用を「する側」「される側」どちらも体験している私が、それぞれの視点から、そのメリットだけでなく、見落としがちなデメリットやリスクを徹底的に解説しますので、最後までご覧ください。

目次

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、社員が友人や知人を自社に紹介する採用手法のことです。 企業側としては、採用コストを抑えつつ、自社の文化や働き方を理解している人材を効率的に獲得できるメリットがあります。 しかし、この仕組みは一見華やかに見えますが、実は紹介する側紹介される側双方にとって、大きなリスクが潜んでいます。

紹介するとは、自分の信用を切り売りすること

誰かを紹介する行為は、あなたの信用を担保として差し出すことに他なりません。 たとえば、あなたが友人に「このお店、すごく美味しくて雰囲気もいいから行ってみて!」とおすすめしたとします。もし、友人がそのお店に行ってみて、サービスも料理もひどかったらどうでしょうか。 「あいつの言うことは信用できないな」と、少なからずあなたの信用は傷つきます。

紹介されるとは、紹介者の顔をたてること

一方で、紹介される側も、紹介者の立場を考慮する必要があります。 「Aさんの紹介だから、とりあえず話だけでも聞いてみよう」と、紹介者の顔を立てるために面接を受けたり、話を進めたりするケースは少なくありません。 しかし、本心ではそこまで入社意欲が高くない場合、選考が進むにつれて「本当にこの会社でいいのだろうか」という葛藤が生まれてしまいます。

リファラル採用をする側(会社を紹介する側)の知られざるメリットとデメリット

リファラル採用を自ら実行する、つまり会社に友人や知人を紹介する側にも、メリットとデメリットが明確に存在します。

メリット

1. 会社からの評価が上がる可能性がある

リファラル採用は、企業側からすると採用コストを抑えられる上に、自社のカルチャーを理解している優秀な人材を確保できるため、非常に価値の高い採用手法です。 あなたが優秀な人材を紹介し、その人が会社に貢献してくれれば、「良い人材を見つけてくる人」として、上司や経営陣からの評価が上がる可能性があります。

2. 紹介料がもらえる

多くの企業では、リファラル採用が成功した場合、紹介した社員にインセンティブとして紹介料を支払っています。 数万円程度の企業もあれば、数十万円という高額な紹介料を提示する企業もあります。

3. 会社がより良くなる

リファラル採用で入社した人は、友人であるあなたと仕事をするため、「あの人がいるから頑張ろう」というモチベーションが生まれることがあります。 お互いに協力し合い、高め合うことで、会社全体の雰囲気が良くなり、チームや部署の生産性向上に繋がる可能性を秘めています。

デメリット

1. 人間関係が悪化するリスク

リファラル採用は、公私混同になりやすく、人間関係が悪化するリスクが高いです。 たとえば、あなたの紹介で入社した友人が、仕事で成果が出せず、周りから厳しい評価を受けてしまったとします。その際、あなたが「なぜもっと頑張らないんだ」と友人を責めてしまえば、二人の関係は修復不可能になるかもしれません。

2. 紹介した人が不採用となり、気まずくなる

私は以前、知人のAさんを私の勤めている会社に紹介しました。Aさんは仕事もできる優秀な人材で、会社の課題を解決してくれると信じていました。 しかし、選考の結果は不採用。 Aさんには丁寧にお断りの連絡がありましたが、それ以降、Aさんとの関係はぎこちないものになってしまいました。 Aさんは「どうして不採用だったんだろう」と不満そうにしており、私自身も「もっとうまくアピールしてあげられたらよかったのか」と自責の念にかられました。 結局、何度か食事に誘ってみましたが、「忙しい」と断られ続け、以前のような関係に戻ることはできませんでした。

3. 会社を辞めづらくなる

もし、あなたが紹介した友人が入社し、その友人が会社に馴染めずに悩んでいたとします。 そんな状況で、あなたが「この会社、もう自分には合わなくなったから辞めようかな。」と口にできるでしょうか。 「自分が友人を紹介したのに、辞めるわけにはいかない。」と、会社を辞めたいという気持ちに蓋をしてしまうことになりかねません。

リファラル採用される側(会社を紹介してもらう側)の知られざるメリットとデメリット

リファラル採用によって転職を検討する側にも、想像以上のメリットとデメリットが存在します。

メリット

1. 職場のリアルな情報を聞ける

転職活動で一番不安なのは、「入社してみたら想像と違った」というミスマッチです。 リファラル採用の場合、すでにその会社で働いている友人から、面接では聞けない職場の雰囲気、人間関係、仕事の進め方などのリアルな情報を事前に聞くことができます。 これにより、入社後のミスマッチを大幅に減らすことができます。

2. 選考が有利に進む可能性がある

企業側からすると、社員の紹介で入社する人は、「すでに会社のことをある程度理解している」「紹介者がいるので安心」という認識を持たれやすいです。 そのため、他の応募者と比べて、選考が有利に進む可能性があります。

3. 入社後のサポートが手厚い

入社後、仕事に慣れるまでには時間がかかります。 リファラル採用の場合、紹介してくれた友人がメンターのような役割を果たしてくれることが期待できます。 困ったことや悩みを気軽に相談できる相手がいるのは、心強いものです。

デメリット

1. 断りづらくなる

友人や知人から熱心に「うちの会社、すごくいいから受けてみない?」と誘われた場合、「せっかく誘ってくれたのに断るのは悪いな」と感じてしまうことがあります。 たとえ興味がなくても、とりあえず話を聞いたり、選考に進んだりしてしまうと、「やっぱり辞めておきます」と伝えるのが非常に難しくなります。

2. 紹介してくれた人と気まずくなる可能性がある

実体験1:やり取りが突然途絶えた 

私は以前、友人から副業として働ける会社を紹介してもらいました。 やり取りを進めていたのですが、途中で会社の都合で募集が一旦停止になってしまいました。 友人からは「また再開したら連絡するね」と言われたのですが、その後連絡は途絶え、連絡をとるのが気まずくなってしまいました。 「もしかしたら、もう募集はしないのかな?」 「どうして突然連絡が来なくなったんだろう?」 と、色々なことを考えてしまい、友人に直接聞くこともできず、もやもやした気持ちだけが残りました。

実体験2:合わなくて辞めた後、気まずくなった 

知人から紹介してもらった会社で、副業として働き始めました。 しかし、実際に仕事をしてみると、私のスキルや興味とは合わない部分が多く、続けるのが難しいと感じてしまいました。 勇気を出して、「やっぱり、この仕事は合わないので辞めます」と伝えると、紹介してくれた知人は「え、そうなの?もう少し続けてみたら?」と少し残念そうな表情を浮かべました。 その後、二人で会う機会は減り、結局連絡も取らなくなってしまいました。 せっかく紹介してくれたのに、期待に応えられなかったという申し訳なさから、その後もずっと気まずい気持ちを引きずることになりました。

結論:リファラル採用は、紹介する側もされる側も「慎重に」

リファラル採用は、一見、win-winな仕組みに見えますが、紹介する側もされる側も、大きなリスクを背負っていることを理解しておく必要があります。 お互いの関係性を大切にしたいのであれば、安易な気持ちでリファラル採用に手を出してはいけません。

会社を紹介する側の人が気を付けるべきこと

1. 相手の気持ちを尊重する

「うちの会社、本当にいいから受けてみてよ!」と、一方的に押し付けるのはやめましょう。 まずは相手のキャリアプランや現状の不満をしっかりヒアリングし、「本当にこの会社がその人にとってベストな選択なのか」を客観的に見極めることが大切です。 もし、相手が乗り気でなければ、無理に誘う必要はありません。

2. 会社を美化しない

「この会社は最高だよ!」と良い面ばかりを伝えるのは、大きなミスマッチの原因になります。 会社の良い面だけでなく、課題や大変な部分も正直に伝えることで、相手はよりリアルなイメージを持って判断できます。

3. 紹介した後の関係性をシミュレーションしておく

もし、紹介した人が不採用になったり、入社後に辞めてしまったりした場合、二人の関係はどうなるかを事前にシミュレーションしておきましょう。 「不採用になったら、またご飯でも行こうね」など、万が一の場合のフォローを考えておくことが、関係性を維持するために重要です。

会社を紹介してもらう側の人が気を付けるべきこと

1. 自分の意思を明確に伝える

「せっかく紹介してもらったから…」と、自分の気持ちに嘘をついてはいけません。 興味がなければ、「ありがとう。でも、今回はやめておきます」とはっきりと断る勇気を持ちましょう。 それが、お互いの関係性を壊さないための一番の配慮です。

2. 会社を徹底的に調べる

友人から会社の良い面だけを聞いたとしても、鵜呑みにしてはいけません。 会社のホームページ、採用サイト、SNSなど、自分で情報を集め、多角的に分析することが大切です。 また、選考過程で、不安に感じたことは正直に伝えて、解消しておくようにしましょう。

3. 紹介者と自分の関係性を仕事と切り離す

入社した後、友人である紹介者と仕事で意見が衝突することもあるかもしれません。 そんな時、「あの人が紹介してくれたから…」という気持ちが邪魔をして、自分の意見を言えなくなっては本末転倒です。 仕事は仕事、プライベートはプライベートと、意識的に線引きすることが大切です。

リファラル採用は、うまく活用すれば企業、社員、そして紹介された人の三者にとって素晴らしい結果をもたらします。 しかし、一歩間違えれば、大切な人間関係を壊してしまう危険性もはらんでいます。 「紹介は、お互いの信用と今後の関係性をかけて行うもの」 このことを念頭に置き、リファラル採用を検討してみてください。

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この記事を書いた人

都内の高層ビルで営業職として飛び込み営業やテレアポを経験し、社内表彰を受賞。
その後、新潟へ地方移住し、自然に囲まれた環境でフルリモートワークを開始。
フルリモート環境でも成果を継続的に出し、移住後も社内表彰を経験しています。

営業経験を活かし、地方移住やフルリモートワークによる働き方改革に取り組みながら、リアルな体験やノウハウを発信しています。

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