「通勤電車に揺られる毎日から解放されたい」「場所にとらわれずに働きたい」
そう思うこともあるのではないでしょうか。
私は、フルリモート歴5年目。実はこの5年間で、現職での交渉、転職、副業、フリーランス、あらゆる手段でフルリモートを実現してきました。
本記事では、私の実体験に基づき、フルリモートを実現するための5つの具体的な方法を徹底解説します。それぞれの方法について、「どうすれば実現できるのか」「どんな壁にぶつかるのか」をリアルに語っていきます。
机上の空論ではない、現場のリアルを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
フルリモートとは
フルリモートとは、オフィスに出社することなく、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、場所を問わずに仕事をする働き方です。「在宅勤務」と混同されがちですが、在宅勤務は「自宅で働く」ことを指すのに対し、フルリモートは「場所を選ばずに働く」という、より広い概念です。
なぜ今、フルリモートが注目されているのでしょうか。それは、以下のような多くのメリットがあるからです。
- 通勤時間・満員電車からの解放:
通勤に費やしていた時間を、仕事やプライベートの時間に充てることができます。 - ワークライフバランスの向上:
自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができ、家族との時間や自己啓発の時間が増えます。 - 生産性の向上:
周囲の雑音に邪魔されることなく、集中して仕事に取り組むことができます。 - 住む場所の選択肢が広がる:
地方移住やUターンなど、好きな場所に住みながら働くことが可能です。 - コスト削減:
会社側はオフィスの賃料や光熱費などを削減でき、従業員側は通勤費やランチ代などを節約できます。
フルリモートの魅力は計り知れません。しかし、いざ「フルリモートを実現したい!」と思っても、何から始めればいいか分からない方も多いでしょう。
ここからは、5つの実現手段を、具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。
実現手段1: 現職でフルリモート勤務できないか交渉する
「いきなり転職や独立はハードルが高い…」と感じる方もいるでしょう。まずは、今の会社でフルリモート勤務できないか交渉してみるのが、最もリスクの低い方法です。
実現させるまでの障壁
会社の文化や風土、上司の考え方によっては、交渉が難航する可能性があります。特に、以下の障壁にぶつかりやすいでしょう。
- 「オフィスにいないとサボる」という固定観念:
フルリモートに対する不信感や、「顔が見えないと管理できない」という不安を抱く上司は少なくありません。 - 会社の制度が未整備:
フルリモート勤務に関する規定やツール、評価制度などが整っていない場合、会社側が対応に苦慮します。 - 職種による制約:
顧客対応や物理的な作業が必要な職種の場合、フルリモートが難しいと判断されることがあります。
私は、フルリモート歴5年目に突入しましたが、実は最初は現職で交渉することから始めました。当時、私の会社はビジネス職でフルリモート勤務をしておらず、「前例がないこと」ではありました。
実現させるための取り組み
私は、以下の3つのステップで交渉を進め、最終的にフルリモートを実現させました。
- 成果を出し、信頼を勝ち取る:
フルリモートを交渉する前に、まずは圧倒的な成果を出し、上司やチームからの信頼を築くことが不可欠です。交渉の材料となる「実績」を積み重ねましょう。 - フルリモートによって会社にもたらされるメリットを提示する:
「通勤時間がなくなることで、朝の時間を活用して新しいスキルを習得できます」「会社の固定費削減に貢献できます」など、自分だけでなく会社にもメリットがあることを具体的に伝えましょう。 - 具体的な運用方法を提案する:
「勤怠管理はチャットツールで行います」「日報は毎日提出します」「週に1回はオンラインミーティングを設定します」など、どのように業務を遂行するかを具体的に提案することで、上司の不安を払拭できます。
実体験事例
私が実際に交渉した際のエピソードを紹介します。
当時、私はインサイドセールスを担当していました。交渉の前に、半年間かけて人の2倍以上の行動量を担保し、目標達成し続けました。そして、上司との面談の場で「フルリモートで働きたい」と切り出しました。
上司には「前例がないこと。キャリアに制限が出ることは理解してもらいたい。」と、条件付きで認めていただきました。その後、私はフルリモート勤務を認めてもらったからこそ成果で返す必要があると思い、目標達成をし続けました。
自分が希望してフルリモート勤務を叶えてもらったからこそ、叶えてもらった責任を果たすために奮闘する日々でした。
元々フルリモート文化がある会社であるならいいですが、そうではない場合は交渉が難航するケースも多いでしょう。
大前提として、交渉材料となる「圧倒的な成果」を出せているかと、フルリモートを見つめてもらう分何かを捨てる覚悟があるかが交渉を左右すると考えています。私の場合は、キャリアに制限が出ることを許容しました。
実現手段2: フルリモート勤務ができる会社に転職する
現職での交渉が難しい、あるいは今の仕事内容に飽き足らない場合は、フルリモート勤務を前提とした会社に転職するのが最も手っ取り早い方法です。
実現させるまでの障壁
転職活動自体は、フルリモートではない会社への転職と変わりませんが、フルリモート特有の障壁もあります。
- 求人数が限られる:
フルリモートを前提とした求人は、まだ全体の求人数のうちの一部です。特に地方では、その数はさらに少なくなります。 - 競争率が高い:
フルリモートは人気が高いため、良い求人には多くの応募者が殺到し、競争率が高くなりがちです。 - ミスマッチのリスク:
「フルリモート可」と謳っていても、実際は「週に1回は出社が必要」など、完全なフルリモートではないケースもあります。
私はフルリモートが認められた後、より自分らしい働き方を求めて転職を考えました。その際、転職エージェントと並行してダイレクトリクルーティングサービスを活用して転職先を見つけました。
実現させるための取り組み
転職活動を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
- フルリモートに特化した転職サイト・エージェントを利用する:
「フルリモートOK」の求人のみを扱うサイトや、フルリモート転職に詳しいエージェントを活用することで、効率的に情報収集ができます。 - リモートでの業務遂行能力をアピールする:
履歴書や職務経歴書に、リモートワークでも円滑に業務を進められるスキル(セルフマネジメント能力、コミュニケーション能力、ITツールの習熟度など)を具体的に記載しましょう。 - 面接で「フルリモートの働き方」について質問する:
面接の際に、「御社ではどのようなツールを使ってコミュニケーションを取っていますか?」「チームでのフルリモートの運用方法について教えてください」など、具体的に質問することで、ミスマッチを防ぐことができます。
事例
私が転職活動をしていた時のことです。
当時、私は複数の企業に応募していましたが、ある企業との面接で「フルリモート勤務の場合、どのようにチームビルディングを行っていますか?」と質問したところ、面接官が「私たちは毎月、全社員がオンラインで集まる『リモート飲み会』を開催しています。さらに、半年に一度は全国から社員が集まって合宿を行っていますよ」と答えてくれました。
この答えを聞いて、「フルリモートでも社員同士のつながりを大切にしている会社なんだな」と感銘を受けました。その会社とはご縁がありませんでしたが、フルリモート文化がある会社で働けると、中長期でフルリモート勤務できる可能性があります。
実現手段3: 副業から始めてみる
「いきなり転職は怖い」「でもフルリモートを体験してみたい」という方におすすめなのが、副業からフルリモートを始める方法です。
実現させるまでの障壁
副業を始める際にも、いくつかの障壁にぶつかる可能性があります。
- 本業との両立:
終業後や週末に副業を行うため、体力的な負担や時間の確保が大きな課題となります。 - スキル不足:
本業で培ったスキルが副業に活かせない場合、新しいスキルを習得する時間が必要です。 - 会社が副業を禁止している:
会社の就業規則で副業が禁止されている場合、リスクを伴います。まずは会社のルールを確認しましょう。
私は、本業でフルリモート勤務を続ける傍ら、「より多くの経験を積みたい」という思いから副業を始めました。最初は、本業と同じ営業職の仕事から始めました。
実現させるための取り組み
副業を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 本業と関連性の高い副業を選ぶ:
本業で培ったスキルを活かせる副業を選ぶことで、効率的にスキルアップでき、短期間で成果を出しやすくなります。 - 副業マッチングサービスを活用する:
複業クラウド、SOKUDANといった案件マッチングサービスで、副業案件を探してみましょう。 - 時間管理を徹底する:
副業は自己管理がすべてです。本業に支障が出ないよう、タスク管理ツールなどを活用して、時間管理を徹底しましょう。
事例
私が初めて副業をしたのは、とある企業の営業案件でした。時給で働く業務委託契約だったため、時間の切り売り感が否めなかったことと、本業が営業で副業も営業をするのはしんどく、短期間で辞めることになりました。
その後、WEBライターの副業を始め、最初は1記事あたり3,000円という安価な案件でしたが、実績を積むにつれて単価も上がっていきました。
実現手段4: フリーランスとして独立する
副業で実績を積み、「このスキルがあれば、会社に属さなくても生きていける」という確信が持てたら、フリーランスとして独立するのも一つの選択肢です。
実現させるまでの障壁
フリーランスは自由な反面、リスクも伴います。
- 収入が不安定:
会社員と違い、毎月決まった給料が振り込まれる保証はありません。自分で案件を獲得し続けなければ、収入は途絶えてしまいます。 - 自己管理がすべて:
営業、経理、スケジュール管理など、すべてを自分一人でこなさなければなりません。体調管理やメンタルヘルスにも気を配る必要があります。 - 社会的信用:
住宅ローンやクレジットカードの審査など、会社員に比べて社会的信用が低く見られる場合があります。
実現させるための取り組み
フリーランスとして成功するためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- ポートフォリオを充実させる:
これまでの実績やスキルをまとめたポートフォリオは、あなたの営業ツールとなります。クラウドソーシングサイトやSNSなどで積極的に公開し、自分の存在を知ってもらいましょう。 - 人脈を広げる:
案件は、知人や過去のクライアントからの紹介で獲得することもあります。必要に応じて交流会や勉強会に参加し、人脈を広げましょう。 - セルフブランディングを行う:
SNSやブログで情報発信をすることで、「この分野の専門家」というイメージを確立し、案件獲得につなげることができます。
実現手段5: 経営者として独立する
フリーランスとして働き、事業を拡大していきたいと考えるなら、法人を設立し、経営者としてフルリモートを実現するという道もあります。
実現させるまでの障壁
経営者として独立することは、他の手段とは比べ物にならないほど大きな壁にぶつかるでしょう。
- 責任の大きさ:
従業員や取引先、顧客、そして事業そのものに対するすべての責任を負うことになります。 - 資金調達:
会社を設立する際には、資本金や事業を運営するための資金が必要です。 - 多岐にわたる業務:
経営戦略の策定、財務、人事、法務など、あらゆる業務をこなさなければなりません。
実現させるための取り組み
経営者として成功するためには、以下の3つのポイントが不可欠でしょう。
- ビジネスモデルを明確にする:
どんなサービスを提供し、誰に価値を届けるのか。事業計画をしっかりと立て、ビジネスモデルを明確にしましょう。 - 専門家の力を借りる:
法律や税務など、自分一人では解決できない問題に直面することが多々あります。税理士や弁護士など、専門家の力を借りることをためらわないようにしましょう。 - リモートワークに適したチームビルディング:
フルリモートを前提とするなら、離れていても円滑にコミュニケーションが取れる仕組み作りや、メンバーのモチベーションを維持するための工夫が必要です。
まとめ
本記事では、フルリモートを実現するための5つの手段を、私の実体験を交えながら解説しました。
- 手段1: 現職で交渉する – リスクが最も低い。交渉前に実績を積み、会社にもたらすメリットを具体的に提案することが鍵。
- 手段2: 転職する – 最も手っ取り早い。フルリモート専門の求人サイトやエージェントを活用し、ミスマッチを防ぐことが重要。
- 手段3: 副業から始める – フルリモートを体験する良い機会。本業と関連性の高い副業から始め、実績を積み重ねるのがおすすめ。
- 手段4: フリーランスとして独立する – 副業で自信がついたら挑戦。ポートフォリオの充実と人脈作り、そしてセルフブランディングが成功の鍵。
- 手段5: 経営者として独立する – 事業を拡大したい人向け。ビジネスモデルの明確化と、リモートワークに適した組織作りが不可欠。
どの手段を選ぶにしても、共通して言えるのは、適切な戦略を立て、実現に向けて一歩一歩動き続けることです。
フルリモートは、もはや特別な働き方ではありません。ぜひこの記事を参考に、あなたに合った方法で、理想の働き方を実現してください。
コメント